2021年05月15日

2021年・巣ごもり読書感想文 第3弾

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「悪魔のスパイ」 (ハヤカワ文庫NV)
マイケル・バー=ゾウハー (著) 広瀬 順弘 (翻訳)

1910年代パレスチナに住むユダヤ人はごく少数で
大方の人はアラブ人同様トルコ帝国に服従していた

トルコを支援してたのがドイツでありイギリス
おフランスを尻目にバルカン半島から中東の
支配を狙っていたのである

そんなユダヤ人一家のアーロンソン家
美貌の娘サラ・アーロンソンがリーダーとなり
仲間や恋人とトルコ軍の軍事機密を探り
イギリスに情報を流していたのであるが

裏切りがあったのか一家全員トルコ軍に逮捕
恋人は拷問の末処刑、サラはその時のために
持っていた拳銃で自殺を計った・・

という史実をもとに創作してマイケルが書き上げた作品である
せやから実在のT・E・ロレンス少佐やマタ・ハリ
はもちろん登場するが
あのエゲツないトルコ軍司令官ムラド・パシャも
実在の人物である

この作品に関しては今回感想は言わない
現在コロナ禍のドサクサ時に交戦中の地域がある
(マイケルはイスラエルの国会議員もされた作家である)

世界的に影響力のある当ブログの管理者として
戦争に影響を与える発言は計り知れないので
私の発言は差し控える事ぉご理解願いたい


さて、次はハイ・レヴェルな名作だ



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「パールストリートのクレイジー女たち」(集英社文庫)
トレヴェニアン【著】江國 香織【訳】

当ブログ2019年度の読書グランプリに輝いたのは
トレヴェニアン氏の「ワイオミングの惨劇」であった

せやから前から読みたいと思てましたんやけどネ
冒険小説とはいえないが非常に良い本であった
先日も少年が主人公の本を紹介したが雲泥の差である

大恐慌時代から大戦のニューヨークのスラム街
そこに生きる人々と
一家の貧困に対するネヴァー・ギブ・アップ精神
ワンマン・ショーの戦争ごっこ
そして終戦後のミッション・サンノゼという埃っぽい田舎町
いつか貧困から救い出してくれる「船」は来なかった

賢いが故に自分を責める「僕」は少年時代から
抜け出しひとりヨーロパを放浪した

やがて大家族を持った妹のアン=マリーには
平穏という「船」がやってきた
母親はアルツハイマー病を患ったが
過去の鬱憤は消え去り生涯縁がなかった
成功という「船」に乗船して旅立った

健康状態が下向した「僕」にもバスク村での生活
妻という愛を積んだ「船」がやってきたのである

ハーレムを描いたエリントンと並ぶ
とにかくニューヨーク時代の描写力がスゴイ

コレぁトレヴェニアン氏の自伝的小説といわれてるが
僕ぁ同時に開高健氏の「青い月曜日」を彷彿とした
どちらも「少年期」の名作と思う

あと誰も触れてないがニューヨーク時代の
章と章の間に入る「言葉」は当時の流行歌の
タイトルもしくは歌詞と思える

(真っ当なリスナーならニンマリだ)。


posted by ドクた at 16:08| 京都 ☁| Comment(0) | オモロかった本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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